簡単にできるエアコンの室外機の掃除方法
エアコンのお掃除と聞くと、多くの方が室内機のクリーニングを思い浮かべるでしょう。しかし実は、室外機も定期的にお手入れすることが大切です。専門のクリーニング業者に依頼するのが一般的ですが、日常的な簡単なケアならご家庭でも行うことが可能です。ここでは、ご自宅でできる室外機のお掃除方法と、掃除することによるメリットをお伝えします。
室外機の役割をおさらいしよう
エアコンは室内機ばかり注目されがちですが、室外機も重要な役割を担っています。室内機と室外機は銅管でつながっており、その中を「冷媒」と呼ばれるガスが循環します。冷房時には冷媒が熱を吸収して外に排出し、暖房時には外部の熱を取り込んで室内に送り込みます。つまり、効率よく冷気や暖気を生み出すためには、室外機がスムーズに熱交換できる状態を保つことが欠かせません。
室外機の周囲が汚れていたり、ものが置かれていたりすると、排気や吸熱が妨げられ、エアコンの性能が低下する原因になります。ゆえに、室外機まわりのスペースを確保し、フィンや排気口にゴミが詰まらないようにお手入れすることが大切です。
室外機を掃除することで得られるメリット
1.電気の無駄遣いを防げる
室外機のフィンやファンにほこりやゴミが詰まると、空気の流れが阻害されて熱交換効率が落ちます。結果として、室内温度を適切に調整するために余分な電力を消費してしまいがちです。こまめに汚れを取り除けば、無駄な消費を抑えられ、電気代の節約にもつながります。
2.動作音が静かになる
室外機の作動音が気になるとき、フィンにゴミがはさまっている場合があります。フィンは空気の温度を調整するために不可欠な部品ですが、ほこりや小石が入り込むとファンの回転に負担がかかり、異音が発生することがあります。また、ファン周辺に細かい砂などが入り込むと、金属同士が擦れてガタガタ音が鳴ることもあります。汚れを掃除して異物を取り除けば、静かな運転音を取り戻せるケースが多いです。
3.冷暖房の効きがよくなる
室外機の周囲に鉢植えや物を置いて排気口をふさいでしまうと、うまく熱交換できずエアコンの効きが悪くなります。同様に、フィンに汚れがこびりついていると効率が低下します。お掃除をすると本来の能力が発揮されやすくなるため、冷暖房それぞれのパフォーマンスアップが期待できます。
ご家庭でできる室外機の掃除手順
専門業者による内部洗浄には及びませんが、日常的なお手入れなら下記の手順で十分対応できます。
1. 室外機まわりのゴミやほこりを取り除く
- まずは、室外機の外周や裏側に付着した砂ぼこりや落ち葉を掃き掃除で取り除きます。
- ブラシやほうきで大まかなゴミをかき出したあとは、やわらかい布や雑巾で外側を拭いておきましょう。
- 吹き出し口やファンのまわりに落ち葉や枯れ枝が詰まっている場合は、小さめの歯ブラシなどを使って細かいゴミをかき出してください。
- 汚れがひどいときは、霧吹きやホースの水を軽くかけてすすぎ、その後しっかり乾燥させましょう。
2. フィン(薄い金属板)の掃除
- 室外機の裏側に並んでいる薄い金属板(フィン)は、空気と熱をやり取りする重要なパーツです。ここにゴミやほこりが詰まると、性能が落ちる原因になるため丁寧に掃除します。
- 掃除機のブラシノズルを当てて、まずは大きなホコリや砂を吸い取ります。吸い込む際には、フィンを指で押したり引っ張ったりしないよう、やさしく扱ってください。
- 残っている細かいゴミは、歯ブラシなどを使ってそっとこそぎ落とします。薄い金属板なので、力を入れすぎると変形するおそれがあります。ゆっくり丁寧に汚れをかき出しましょう。
3. ドレンホース内部の清掃
- ドレンホースとは、室内機で発生した結露水を室外に排出するためのホースです。このホース内にゴミやカビが溜まると、水が逆流したり漏水したりしてしまうことがあります。
- 専用の「ドレンホースクリーナー」があれば、ホース内を吸引して奥に詰まった汚れをかき出すことができます。市販品をひとつ持っておくと便利です。
- クリーナーがないときは、割り箸や細長い棒を使って、届く範囲のゴミを手作業で取り除きます。その後、水を少量流してつまりがないか確認してください
まとめ
室外機は屋外で雨風やほこりにさらされるため、定期的なお手入れが欠かせません。日常的な簡単な掃除を行うことで、電気代の節約、静かな動作音、そして冷暖房効率の向上などのメリットが得られます。専門的な内部洗浄は業者に依頼する必要がありますが、今回ご紹介したような基本的な掃除はご家庭で十分対応可能です。エアコンの機能を長く維持するためにも、まずは室外機の周りをきれいにしてみてください。