絶対におすすめしないエアコンの選び方
「どのエアコンを選べばいいのか分からない…」
そんな悩みを抱えて、量販店の売り場や通販サイトを見比べている方は少なくないでしょう。レビュー、価格、スペック…。たくさんの情報を前にして、選ぶどころか、ますます混乱してしまうという声もよく耳にします。
実は、エアコン選びで失敗する人には、ある“共通した傾向”があります。
それは、「目に見える情報だけで選んでしまっている」ということ。
本記事では、現場経験豊富なエアコン工事のプロとして、“絶対におすすめしない選び方”とその理由を、リアルな視点でお伝えします。
家電の中でも特に“設置条件”に左右されるエアコンだからこそ、後悔のない選択をしていただけるよう、ぜひ最後までご覧ください。
安さだけを追いかけると「損」をする
ネットショップや量販店の価格比較で、「とにかく安いもの」を基準に選ぶ方は多いと思います。確かに数千円、場合によっては1万円以上安くなることもありますが…。
実は、それが“落とし穴”になるケースも少なくありません。
▼ 実際にあった失敗例
Aさんは、「ネットで格安の6畳用エアコンを購入」。取り付け業者に依頼して設置を依頼したところ…
- 配管の長さが足りず延長費用が発生
- 取付位置が限定されて設置困難
- ドレン処理が特殊で追加工事が必要
- 室外機の置き場所に無理があり騒音トラブル
最終的に、「工事費込みで結局高くついた」という結末に。
エアコンは本体だけでなく、設置環境に応じた施工が必要な製品です。「価格が安い=お得」ではないのです。
部屋の広さ“だけ”で容量を選ぶと冷えない・壊れる
エアコンには「○畳用」という表示がありますが、これは理想的な設置条件での目安にすぎません。
例えば同じ6畳でも、以下のような要素で冷暖房効率は大きく変わります。
- 南向き・西向きで日当たりが強い
- 天井が高いロフト付きの部屋
- 窓が多く、断熱性能が低い
- 家族の出入りが多いLDK
つまり、「6畳用=6畳の部屋にぴったり」ではないのです。
また、容量が不足していると、エアコンに過剰な負担がかかり、寿命が縮まる・電気代がかさむ・効かないといった悪循環になります。
“最新機能”ばかりに目がいってしまう
最近のエアコンは本当に多機能です。自動掃除、AI自動運転、空気清浄、除菌、音声操作…。魅力的なワードが並びます。
しかし、そのすべてが本当に必要か?を冷静に考えるべきです。
機能過多の弊害
- 掃除機能付きは内部構造が複雑 → 故障しやすい/修理費が高額
- 高機能モデルはサイズが大きく、取り付けできない部屋も
- AI機能の設定や操作が複雑で「使いこなせない」
プロ目線では、「余計な機能が少ないシンプルなモデルのほうが長く使える」というケースも多くあります。
特に高齢のご家族が使う部屋では、リモコンが分かりやすいことが最優先になる場合もあります。
メーカーのこだわりで“設置できない”ことも
よくあるのが、「ずっとこのメーカーを使ってきたから」と、特定のメーカーにこだわって購入するケース。実はこれが“設置トラブル”の原因になることがあります。
設置できないパターン
-
- 配管の穴が右出し限定 → 部屋の間取りと合わない
- 室外機が大きすぎてベランダに収まらない
- 特殊な電源(200V)が必要 → 電気工事が別途必要
- 高機能機種のため重量があり、壁に負担がかかる
一部の機種は、設置に専門スキルが必要なケースもあり、対応できる工事業者が限られる場合も。
設置業者を確認せず“どこでもいい”と思っている
実は最も多い“後悔”がここです。
「ネットで買ったら工事もセットだったのでお願いしたけど、作業が雑で…」
「量販店に頼んだら下請け業者が来て、質問してもちゃんと答えてくれなかった」
エアコンの快適性や寿命は、施工技術に大きく左右されます。同じ機種でも、“誰がどう設置するか”で全く使い心地が変わるのです。
まとめ
“本当にいいエアコン”は、あなたの暮らしに合っているかで決まる
エアコン選びは「スペック勝負」ではありません。
価格や機能ではなく、設置環境・家族構成・使い方・住宅の条件などに合わせて、最適なものを選ぶことが最も大切です。
プロが勧める「正しい選び方」はこちら
- 使う部屋の広さだけでなく、日当たり・断熱性・使用時間帯まで考える
- 使い手の年齢や生活習慣に合わせて、必要な機能に絞る
- 購入前に、設置現場の状況を確認してから選ぶ
- 工事業者の質を重視し、説明や対応がしっかりしているかを見極める
最後に|迷ったら“先に相談”が正解
「どの機種を選べばいいかわからない」
そんな時こそ、信頼できる施工業者に先に相談するのが正解です。現地を確認し、予算や環境に合わせて最適な提案をしてくれるプロなら、後悔のない買い物ができます。エアコンは10年以上使う大切な設備です。長く快適に使える一台を選ぶために、「正しい選び方」を身につけましょう。