建設業許可を取ったら旧登録証は返納へ|みなし登録の開始届と提出先

建設業許可と電気工事業の書類を事務所で確認する事業者

登録電気工事業者として営業している途中で建設業許可を取得し、その後も電気工事業を続ける場合、電気工事業法上の扱いは「みなし登録電気工事業者」へ変わります。建設業許可を受けたことだけで、電気工事業側の手続きまで完了するわけではありません。

必要になるのは、電気工事業開始届出書の提出と、従前の登録証の返納です。届出先は建設業許可を扱った窓口から決めるのではなく、電気工事業を営む営業所の所在範囲を基準に確認します。

建設業許可の取得後は、従来の登録をそのまま使わない

建設業許可関係の書類と旧登録証を机上で整理する手元

登録電気工事業者が建設業許可を受けると、従前の登録は失効し、建設業者として電気工事業を営むための届出へ移ります。名称は似ていますが、既存登録の変更や更新ではなく、みなし登録電気工事業者としての「電気工事業開始届出書」を提出する手続きです。

中部近畿産業保安監督部の電気工事業法に関する手続案内では、建設業許可を受けた後に開始届を提出し、従前の登録証を返納する扱いが示されています。

「30日以内」ではなく「遅滞なく」を基準に動く

開始届の時期は「遅滞なく」とされています。登録事項の変更届などで見かける期限と混同し、30日分の準備期間があると考えるのは避けたほうが安全です。許可通知を受け取った段階で、開始届と旧登録証の処理を同時に確認します。

行政庁へ連絡する前に、次の資料を手元へ集めておくと状況を伝えやすくなります。

  • 建設業許可の通知書など、許可年月日と許可番号が分かるもの
  • 現在の登録電気工事業者登録証
  • 電気工事業を営む全営業所の名称と所在地
  • 各営業所で行う電気工事の種類と主任電気工事士等の情報

旧登録証を営業所に掲示したままにせず、返納方法まで確認して初めて、切替手続きの全体が見えます。

開始届の行政庁は、営業所がどこにあるかで確認する

複数の営業所の所在範囲から開始届の管轄を確認する様子

電気工事業法上の管轄は、工事現場の場所ではなく、電気工事業を営む営業所の配置から判断します。建設業許可証を交付した行政庁と、電気工事業開始届の提出先が当然に一致するとは限りません。

  • 営業所が一つの都道府県内だけにある場合:その都道府県知事が届出先です。
  • 営業所が二つ以上の都道府県にある場合:経済産業大臣の区分となり、営業所が一つの産業保安監督部の管内に収まるか、管轄をまたぐかによって実際の提出窓口を確認します。

たとえば、建設業許可の取得と同じ時期に営業所を新設した場合、以前の登録行政庁だけを見て提出先を決めると、現在の営業所配置と食い違う可能性があります。主たる営業所だけでなく、電気工事業を営む全営業所を列挙して行政庁へ伝えることが必要です。

開始届と旧登録証では、確認の基準を分ける

開始届の提出先は現在の営業所配置から判断します。一方、旧登録証については、従前の登録を行った行政庁へ返納します。両者が同じ窓口になるとは決めつけず、旧登録証に記載された行政庁と、新たな開始届の管轄をそれぞれ照合してください。

電話や窓口では、次のように一度に伝えると、宛先と返納方法を確認しやすくなります。

「現在は登録電気工事業者で、建設業許可を受けました。電気工事業を営む営業所は○県と○県にあります。開始届の提出先、必要な添付書類、旧登録証の返納先と返納方法を確認したいです」

営業所の増設や移転も同時に行う場合は、その事実も省かずに伝えます。行政庁の案内を受ける前に、旧所在地だけで届出書を作り込まないほうが手戻りを抑えられます。

開始届は、許可情報と営業所情報を一続きで照合する

行政窓口で電気工事業開始届と旧登録証の扱いを確認する事業者

経済産業省の届出書の記載見本では、建設業許可を受けた年月日と許可番号、電気工事業を開始した年月日、営業所の名称・所在地、電気工事の種類、主任電気工事士等に関する情報を確認できます。

ここで照合したいのは、許可通知書、開始届、旧登録時の情報のつながりです。商号や所在地などが許可取得と同時に変わっている場合は、旧登録証を転記するだけでは現在の内容になりません。

添付書類は提出先の案内で確定する

記載見本は、届出書へ書く内容を把握するために役立ちます。ただし、添付書類、提出部数、郵送時の扱い、旧登録証の返納方法まですべてを自己判断で確定するものではありません。提出時点の様式と管轄行政庁の案内を確認してください。

社内では、許可通知を受け取った日から次の三つを一件の手続きとして管理すると、旧登録証だけが残る事態を避けやすくなります。

  1. 全営業所を基準に開始届の管轄を確認する
  2. 許可情報、営業所情報、主任電気工事士等の情報を届出書へ反映する
  3. 従前の登録行政庁へ旧登録証の返納方法を確認する

みなし登録への切替で迷いやすいこと

建設業許可を取得すれば、電気工事業の手続きは自動で終わる?

終わりません。電気工事業を続ける場合は、みなし登録電気工事業者として電気工事業開始届出書を提出し、従前の登録証を返納する必要があります。

開始届は許可取得から30日以内に出せばよい?

開始届について公式案内で示されている時期は「遅滞なく」です。ほかの変更手続きにある期限を当てはめず、建設業許可を受けた後に速やかに管轄を確認してください。

建設業許可を申請した窓口へ開始届も提出する?

建設業許可の窓口だけでは判断できません。電気工事業開始届は、電気工事業を営む営業所が一つの都道府県内にあるか、複数の都道府県にまたがるかを基準に提出先を確認します。

この切替では、開始届を出すことだけでなく、旧登録証をどこへどう返すかまで行政庁へ確認することが欠かせません。許可通知書と旧登録証を手元に置き、営業所の一覧を伝えたうえで、最新の様式と提出方法を確認してください。

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