「もう会社にはうんざりだ」
「このまま定年まで働くなんて考えたくない」
「自由な時間、理想の働き方を手に入れたい」
こうして“独立”を意識する人は少なくありません。SNSでは自由な働き方を叶えたフリーランスや起業家たちの姿が、キラキラと映ります。
しかし、現実にはこうした自由な生活を叶えているのは、ほんの一部。
その裏では、“勢いだけ”で会社を辞めて独立し、半年後には資金が尽きて挫折した人たちの姿もまた、数多くあるのです。
「もっと準備してからにすればよかった」
「こんなにお金がかかるとは思わなかった」
「やりたかったことが、現実には通用しなかった」
今回はそんな声から見えてきた、準備不足で独立に失敗した人の共通点を5つにまとめました。
これから独立を考えているあなたにこそ、ぜひ目を通してほしい“現実”の話です。
「売上ゼロが続く現実」を想定していない
独立すれば、仕事がどんどん舞い込んでくる。SNSで発信すれば、お客さんが自然に集まってくる――
そんなイメージを持っている人ほど、最初の3ヶ月〜半年間、まったく売上が立たない現実に驚きます。
見込み客に声をかけても反応がない。商品ページを作っても誰も見ていない。知り合いの紹介でやっと受注できても、単発で終わる。
「こんなに仕事が取れないと思わなかった」
「焦って値下げしてしまい、利益が出ない…」
こうした状態が続き、精神的にも経済的にも追い込まれていきます。
・小さく副業からテストし、需要と価格の手応えを確認
・初期の売上目標は「生活費を賄えるライン」に設定
ターゲットが曖昧で“誰にも届かない”
独立に失敗する人の多くが陥るのが、「自分のやりたいこと」は明確でも、それを「誰に届けるか」が決まっていない状態です。
たとえばこんなケースがあります:
「女性向けの癒しサービスを提供したい」
「中小企業向けにITサポートをしたい」
「とにかく誰でもウェルカムです!」
これでは、誰にも刺さりません。
独立した途端、あなたは“無名の存在”です。
だからこそ、「あなたが欲しい人はココにいますよ」と具体的なターゲット設定と言語化が必要になります。
・SNS・ブログで「誰に向けたサービスか」を繰り返し伝える
・自分の商品を「欲しがる人が確実に存在する市場」かを見極める
数字管理ができず“お金が足りなくなる”
独立後、「思ったより手元にお金が残らない」「気づいたら赤字だった」という人も非常に多いです。
その多くが、ビジネスの数字を“感覚”で判断してしまっていることが原因です。
- 価格設定が根拠なし(とりあえず競合より安く…)
- 売上と利益の違いが曖昧(売れたけど経費が高すぎた)
- 税金や年金の支払いを忘れていた(意外と高い)
特に最初の1〜2年は、「会計感覚」を持たないまま走ると、後で大きなダメージになります。
・売上・利益・経費を月次で可視化(ExcelでもOK)
・税理士に初回相談して、税金と保険の支払いシミュレーションを取る
“孤独”に潰されてしまう
独立すれば、上司も同僚もいません。
日々の判断も、悩みも、結果も、すべて自分ひとりで背負う世界になります。
最初は「自由って最高」と思っていても、時間が経つごとに…
- 「これで合ってるのか分からない」
- 「相談できる相手がいない」
- 「誰にも評価されない不安」
といった感情に襲われ、メンタルが不安定になる人も珍しくありません。
・週1で「自分との対話の時間」(ジャーナリング・振り返り)を設ける
・月に1人でも「話せる人」がいる環境を意識してつくる
“行動すればどうにかなる”という過信
「とにかく行動!」「考えるより動け!」という言葉は、たしかにやる気を後押しします。
しかし、戦略なき行動は“消耗”につながるだけです。
- 毎日SNSを更新しても、誰にも届かない
- 名刺配りをしても、顧客化につながらない
- ブログを書いても、検索されない
こうした「がんばってるのに報われない」状態は、準備不足による方向ミスが原因です。
・自分の“やりたい”ではなく“求められている”ことから逆算
・小さなPDCA(計画→実行→振り返り→改善)を1週間単位でまわす
まとめ
準備こそ、最大の武器」になる
独立で成功している人に共通しているのは、「行動力」ではありません。
準備力と計画力、そして冷静な自己分析です。
もちろん、独立に完璧な準備などありません。
どれだけ準備しても、不安はゼロにはならないし、思い通りにいかないこともあるでしょう。
でも、事前に「落とし穴」を知っている人だけが、落ちずに進むことができる。
それが、独立という「夢」を、現実のビジネスとして続けていくための最も大切な土台になります。